三羽烏

高値圏で陰線が3本連続して出現する、「三羽烏」(黒三兵)は売りのサインとされる。ドル・円相場でこれを検証してみた。検証では三羽烏を構成する陰線とその出現局面を以下のような条件でふるいにかけた。相場の下落過程ではなく高値圏での出現に絞るため、

  1. 1本目の陰線が出た当日、またはその前日の高値が、当日を含む過去少なくとも13日間の高値であること。
  2. 1本目当日を含む過去13日間の高低差が当日終値の3%以上であること。
  3. 三羽烏を構成する3本の陰線に関して
    • 短すぎる陰線を排除するため、陰線全体の長さが当日終値の0.5%以上であること。
    • 寄引き同値線に近い陰線を除外するため、ローソク実体がローソク全体の3分の1以上であること。

1985年から2009年までのドル・円相場において上記の条件に当てはまるケースは下表のように 10例あった。下表、「1本目陰線高値」は三羽烏を構成する最初の陰線での高値。「3本目陰線安値」は三番目の陰線での安値示す。さらに三羽烏出現以降、3週間(営業日ベースで15日間)の動向を調べるためにその期間内の高値、安値をチェック。同期間内における安値が三羽烏を下回らずに高値が三羽烏を越えたケースは1例のみ(2009/12/07)であった。

出現頻度があまり多くはなかったが検証の結果、三羽烏が出現したあと相場が"しばらく"下落トレンドを辿る可能性はかなり高いようである。(日付をクリックするとその前後のチャートを表示)

三羽烏のうち 三羽烏出現以降、
1本目が出た日付 1本目陰線高値 3本目陰線安値 15日間の高値 15日間の安値
1985/02/13 263.65 255.50 263.65 253.70
1991/03/29 141.25 137.52 139.50 134.00
1993/07/12 110.35 106.95 108.85 104.00
1999/03/05 123.54 120.65 121.40 116.90
1999/05/21 124.61 122.25 122.74 117.63
2001/01/18 119.90 116.15 118.48 114.35
2002/08/09 121.37 118.40 120.32 116.30
2009/01/07 94.15 90.15 91.25 87.10
2009/05/08 99.60 96.11 97.24 93.85
2009/12/07 90.20 87.36 92.77 87.73

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