ダブル(トリプル)・トップ(ボトム) (Double/Triple top/bottom)
左図はダブル・トップの典型的なモデルを表している。上昇する相場が一旦Aで頭を押さえられBまで下落するが再度上昇をトライ。ところが,前回天井をつけた水準でまたもや売りを浴び値を崩す。一度は下げ止まったBの水準を今度は堪えきれず急落していく様子が見て取れよう。同じようなレート水準で二度天井を打つのがダブルトップのパターンである。三度天井を打てばトリプル・トップ。左図の上下を逆転させれば,下げ相場の底値圏でしばしば見られるダブル・ボトムの形となる。
上昇する相場においては一度つけた高値(図ではA)は強く意識され,いわゆる売りの値頃感を市場参加者に提供することになる。相場が次にそのレベルに接近したとき,再び売り手が集中しがちだ。ここで買いが売りを吸収するほど勢いがあれば当然相場は上がるのだが,売り勢力が買いよりも強ければまたCで相場は頭打ちとなる。このように二度までも相場が同じ水準で天井を作れば,市場参加者の多くが強い売りの存在を意識せざるを得ない。或いは,買い圧力が徐々に減少しつつあると見る者も出て来よう。この結果相場は下げに転じ始め,過去に下落を食い止めた価格水準Bが破られれば,市場参加者はマーケットの力関係が明らかに変調をきたしていると解釈するだろう。こうして,ネックラインが破られると同時に一気に売りが集中,下げを加速させてしまう。
ネック・ラインを破ったあとのターゲットは,ネックラインから上にはみ出た値幅と同じ分だけネックラインから下に取った水準になると期待できる。
左図は 1995年 7月下旬から同年 10月初旬にかけてのドル・マルク相場である。1.37台から勢いよく上げた相場が一旦 1.50近辺で頭を打ったあと 1.4560まで押すが,再度上昇。しかし,一度天井をつけた水準にほぼ等しい 1.5050でまた頭を叩かれている。ここを頂点にドルがネックラインを切ったが最後,ドルは急落した。計算上のターゲット 1.4070にほとんど等しい 1.4080を見事に達成している。
ダブル・トップを逆さまにしたドル・円相場におけるダブル・ボトムの例。ネックラインが 129.37に位置し,底は 122.67。二度底打ちした相場がネックラインを上抜いたあと急速に上昇,135円水準まで到達した。ネックラインより 6円 70銭下がった相場がダブル・ボトム完成後ネックラインよりその値幅分だけ上がると予想すると,ターゲットは 136.07。実際の相場はやや寸足らずだったが,ほぼ満足できる結果だといえよう。
左図はマルク・円日足でのトリプル・ボトムの例である。75.28,76.00近辺と,相場が三度底を打っている。二度ならず三度トライして駄目なら大概諦めるもの。下攻めに失敗した相場は三回目の底打ち後上昇に転じ,80.18のネックラインを抜け 84.18まで値を上げた。ターゲット 85.08には少し届かなかったが,トリプル・ボトムの特徴がよく現れている。
サイト内リンク